電力自由化に至る経緯~90年代から始まっていた流れ~

原発事故をきっかけに

私たちの社会においてインフラの中心的な要素は「電気・ガス・水道」と言われています。いずれも欠かせない大事な要素ですね。この3要素のうち、特に電気について問い沙汰されることが多くなりました。
原発事故を筆頭にして電力業界へ関心が集まり、様々な疑念が生まれたものです。電気料金を決める総括原価方式は自由に価格を設定できてしまうものでしたし、電力会社が誰も使わないような高価なハコモノを建設していることも分かり非難も高まりました。

これまでの電力自由化の経緯

こうした流れを受けて電力自由化というものが始まったように見えますが、実はもっと以前から電力業界にメスは入っていたのです。今回はその経緯を見ていきましょう。
1995年に電気事業改正法により民間会社が発電所を持てるようになりました。これで既存の電力会社がこうした発電所をもっている企業から電力を買うことができるようになったのです。1999年には再度電気事業法が改正され、大規模工場や大規模商店といった特別高圧を使用する利用者へ民間会社が電力を売れるようになったのです。これは発電所をもっている民間会社のみならず、その仲介会社も電力の販売に携わることが可能なものでした。
このときに、そうした民間会社の発電網が機能しない場合に既存の電力会社の発電網を利用することができるという保障制度も制定されました。そのため、利用者は安心して民間会社と契約を結ぶことができたのです。

電力自由化の転換期

2003年に施行された電気事業法改正では大規模な施設以外にも、中小規模の工場やスーパーマーケットなどと民間会社が契約できるようになりました。1999年の契約規模が拡大したものだと考えれば良いでしょう。
そして2013年から原発事故を景気とした電力システムの改革が始まりました。より電力自由化を目指す試みは、2016年4月から始まる一般家庭と小売店も民間の電力会社と契約できるという時点で転換期を迎えるでしょう。
こうした新しい電力供給会社と私たちの生活がより密接になるのです。ですが現在ではまだ不十分な点もあります。それは既存の電力会社が有する送電網を利用しなければならないからです。この利用料が高いため、電力の自由化は広まり辛くなってしまっています。
この点は2018年から2020年にかけて発送電分離として改善が予定されています。少し先の話になってしまうのは仕方の無い話かもしれません。
電気事業は社会基盤を支えている重要なものなので、急激な変化をすると支障が懸念されるからです。それでも、今まで独占市場だった電力業界が良い方向に向かっていることは間違い無いでしょう。